2013年6月27日木曜日

情報センターながの

情報センターながの:
自動搬送技術で畜産から環境分野まで
長野クリエート株式会社

 日本人の食生活が、豊かな肉食中心となって久しい。いまでは毎日のように豚肉なり鶏肉、牛肉など加工品も含めて誰もが一度は口にして、楽しく食事を過ごしている。これら家畜を育てるための飼料(エサ)を、畜舎の中まで自動で送り、供給する設備を作っている会社が、千曲市にある「長野クリエート」である。この技術を生かして、環境関連まで事業を拡大して新しい需要も見いだしている。
青木茂社長
青木茂社長

◇36歳、個人で独立
 長野クリエートの青木 茂社長(60歳)は、高校を卒業してから大手の化学会社で生産設備の設計にたずさわった。ここでは「ロボットのはしりで、技術の基本からありとあらゆる先端技術を身に付けた」と語る。
その後、畜産機材の会社に移り、新製品の開発に従事してきた。多くの畜産現場の仕事を見て問題点を解決してきた。そして、畜産のタンクから飼料の運搬に、多くの人手により労力と時間が費やされていることに着目する。
1981年独立、36歳だった。製作したのが、ラセン状の軸付きのスクリューコンベアー。これをタンクから接続したパイプ管の中でモーター回転させて、エサを畜舎まで搬送できる。生産設備と違って、畜産家向け商品のためある程度の数量も見込めた。
初年度は個人で、2年目からは法人にした。「これまで、営業販売の経験がなかったため、足を使って畜産家や商社を廻り、飼料の搬送機の提案をした」。また、ダイレクトメールで効率の良い販売方法も行った。
創業から養豚業界をターゲットにして、堅実に顧客を増やしてきた。最初は、ほとんど県内の顧客だったが、現在は県外ユーザーが95%を占めている。

◇顧客ニーズの商品展開
S-50制限給餌ライン
S-50制限給餌ライン
 青木社長は、スクリューコンベアーから同社のコア技術である「モノを送る」技術を進化させて設立5年目に「自動給餌システム」を完成させる。
畜産家は、家畜の食事から舎内の清掃、栄養と健康管理まで、肉体労働面や時間的拘束のある職業である。その給餌面を自動化したことは、労働面や時間的拘束の問題解決に寄与した。顧客ニーズに対応した、喜ばれる製品として需要を開拓した。もちろん、エサを絶えず供給する不断給餌ラインと、計量設定ができる制限給餌ラインがあり、どちらも24時間タイマーで無人化が可能だ。
これは、屋外の飼料タンクから配管して、オーガー(軸無しスクリュー)により豚舎内に飼料を自動搬送するシステムである。豚の成長に合わせて、適量のエサをセンサーやコントロールユニットで自動供給できる。エサと水が出るフィーダーは、透明パイプの使用により豚房ごとの菜食状況が一目で比較判断が可能。また、飼料と水は別々のため混合がなく、病原菌やカビなどの汚染の危険性が少ない。
S-75搬送ライン
S-75搬送ライン
 システムが完成した頃の苦労話を一つ。「奄美大島で、6千頭いる養豚業の自動給餌を請け負った時は心細かった。経営基盤がまだ弱く工事スタッフが少なかった。中古の軽トラックを買い、海を渡った。仕事が完成したときはとてもうれしかった」としみじみ語る。

◇環境関連に需要開拓
 受注も養豚だけでなく、肉牛や乳牛まで顧客層を拡大してきた。現在では、エサの配合設備から自動給餌までトータルプランナーとして全国に顧客を持つ。
また、顧客の要望に応えるべく、環境関連にまでシステムの応用が拡大してきた。それは、雲海酒造に納入した、酒粕を乾燥させてエサに再生して計量包装するシステム。これまで酒粕は、海洋投棄や産廃処理で費用がかさんでいたが、飼料化で環境面やコストで大きなメリットが出せた。あるビールメーカーは、大瓶のラベルを水で溶かしているが、ラベルカスの搬送と水との分離に採用された。
エノキ茸の栽培床では、オガ粉の代わりにとうもろこしの茎を乾燥して粉砕、これを計量して袋詰めするシステムなども納入。廃オガ粉を堆肥化して袋詰めや、食品残渣の搬送装置などの自動化設備も請け負う。
課題は「中心になってきた社員から、若い世代に技術から経営まで世代交替をしていくこと」ときっぱり。これまで、経営においてうれしかったことは社員にボーナスをたくさん出せた時期があったこと。それに向かい今期は、前年比10%増収の売り上げを目指している。「企業規模からいってもニッチの市場で当社のコア技術を生かして、畜産業界だけでなく環境関連にもユーザーを増やしていきたい」と、環境に優しく資源を有効利用できる装置開発に、情熱をかたむけて社会貢献を続ける。

【会社概要】

所 在 地千曲市大字須坂491-2
TEL.026・276・0730
代 表 者青木 茂社長
従業員数18人
資 本 金1,000万円
事業内容自動給餌設備、飼料搬送用スクリューコンベアー・バケットエレベーター、飼料配合設備、環境関連
設  立1981年7月
U R Lhttp://www.nagano-create.co.jp
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