2013年4月25日木曜日

組織の変革について

組織の変革について: "
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組織の変革について

 企業の経営革新において何よりも必要なのは組織変革である。財務、開発、技術、製造、販売、情報、等、の個別の変革が必要なことは言うまでもないが、これらの変革は組織の変革ができてこそ可能であり有効なものとなるのではないか。
 このようなことを常日頃考えていて、何かヒントとなるものを探していたが、今年1月13日付の雑誌「日経ビジネス」にカルロス・ゴーン氏が語る再生の法則「日本にないのは経営だけだ」が掲載されていた。本記事は日産自動車という大企業の再生を中心とした話ではあるが、中堅・中小企業の皆様方にも大変参考となると思われるので、ご紹介したい。氏の話は、読んで見ればごくあたりまえのことのように思えるが、これらのことを実行に移し現に日産の再生をもたらしたということに意義がある。
読んでみて非常に明確であり説得力がある。詳細を知りたい方は是非、同誌を読んで頂きたい。
<記事の概要>
カルロス・ゴーン氏による日産の再生については人により賛否が分かれるが、少なくとも言えることは日産自動車が奇跡的に短期間に復活したということである。氏の実践は、“数値化できない理念に力”に拠っており、“経営の真髄は単純だからこそ見落としがち”と同誌は記している。そして、できそうでできない再生の5か条として氏が実践した次の5つを挙げている。どれだけの企業がこのような経営の基本を貫いているだろうか。
①明確で分かりやすいビジョン、②トップの一貫した言動、③社内コミュニケーンの徹底、④行動を起こさせる動機づけ、⑤成果に対する正当な評価、
以上についてとりわけ筆者が感銘を受けたのは、③社内コミュニケーンの徹底である。以下では、主としてこれについて記す。皆様方の企業にとっても、何らかのヒントになるものと思われる。
<社内コミュニケーションの徹底>
ゴーン改革の本質は、強烈なコスト削減や徹底した資産売却など、いかにも外資といった手法だけでは説明できない。その真髄は、経営の基本姿勢の確かさである。と述べている。

1)社内部門間の壁を取り払って問題を迅速に解決できるようにした。
具体的には、硬直的は縦割り組織を壊すため、設計・開発や販売とのクロスファンクショナルチームを作りセクショナリズムを廃した。例えば、かって、日産では工場毎に独自の生産方式を取り、それを当然とする風土があったが、これを全社的に統一した考え方に基づいて生産体制を敷くようにした。クロスファンクショナルチームが中心となり、現場に赴くだけでなく、イントラネット等で参考事例を共有し他工場に
広げる。部品メーカーを含めた工場の見学会を定期的に開催する。等して生産の効率化を図った。
2)改革を進める上で、特に従業員とのコミュニケーションを重視した。
氏は年間300回をこなす講演のうち回を社内向けにこなしたといわれる。組織の全ての構成員がビジョンと危機意識を共有するために例えば次のようなことを行なった。
決算等の重要な会見は原則全従業員が見ることになった。トップが何を考えているかを理解させる最良の方法は直接話しかけることである。そのために社長会見の時間にはラインを停止することさえ行なった。
従来の日産では、上司から部下へ情報を伝えていた。伝言ゲームのごとく下に行くほど不正確となり、聞く方の真剣さも失われていた。
また、販社社長を本社に集め施策を説明する正式な会議の前に、販社の意向を聞く場を設けることにした。ゴーン氏はここでも最初は、販社の意見をじっと黙って聞いていて、その後意見を述べる。昔の日産ならば、“メーカーとしてこうやります”というような進め方であり相互のコミュニケーションがなく一方的であった。
 更に次のような逸話がある。かって、日産も日本的な品質管理活動である“QC活動”が盛んであった。氏が社長に就任時は、この活動も元気がなく落ち込んでいた。氏は1人の担当重役をつかまえ、“QC活動”の是非について聞いてみた。反応は、あんなものは余り役に立たないからやめてしまった方がいいという意見であった。氏は、それを確かめるため翌日、自ら現場へ赴き、現場の人の意見を聞いてみた。その結果、“QC活動”が非常に有益であることを実感し“QC活動”の継続発展を決意した。現場のQC大会にも終日出席し熱心に聴講し意見も述べた。そうすることにより現場の人も意気に感じ、現場が活性化したと言われている。それまでの日産では社長クラスの者が現場のQC大会のようなものに参加し終日聞いているというような前例はなかったという。
 最後に、ゴーン社長が現状の日本について述べた次の記事も大変含蓄があり興味深いので記載したい。
・日本の国の脅威は内にあり。
日本の現場の質は高い。現場の作業者、技術者、スタッフを含めた現場の人たちの献身ぶり、忠実さ、組織力、規律、細やかな仕事、等は大きな資産である(世界一とも言える)。しかし、誤った戦略を選び、正しい経営をしなければ、これらが無駄になってしまう。従って、日本の現場レベルが維持され、その上で正しい経営をすれば、日本は世界第2位の経済大国の座を守りつづけることができる。
・企業間アライアンス(ここでは企業間提携と訳しておく)。
企業が他の企業とアライアンスを組む時はシナジー(相乗効果)とアイデンティティ(その企業の独自性)の微妙なバランスを取らねばならない。アライアンスとは、自社のアイデンティティを破壊せずに維持しながら相手の会社のベストプラクティス(模範事例)を学ぶ良い機会である。
・経営とは何か。
経営とは革新し続けることであり、同じ方法をずっと続けることはできない。経営も組織も、会社の状況と業績に合わせて変化しなければならない。ベストプラクティスに関する記事をできるだけ読むようにしているが、品質、コスト、利益に関する事例はどこからでも学ぶことができる。様々な人の話を聞き、文章を読むのは、経営が型にはまってしまうのを避けたいからである。 

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